【今さら聞けない】Clostridium difficile感染症の治療薬【薬学生、薬剤師向け】

この記事は薬剤師の方向けです。
「今さら聞けない薬学知識」です。

この記事を読むと、「Clostridium difficile感染症(CDI)の治療薬ってなんだっけ?」という疑問が解決します。
薬学生、新人薬剤師、若手薬剤師、後輩や実習生に指導する立場の薬剤師の方の参考になれば幸いです。

Clostridium difficile(クロストリジウムディフィシル)感染症(CDI)とは?

Clostridium difficileは嫌気性菌であり、その感染症は下痢や腹痛、発熱などの症状を呈します。
発症機序は、抗菌薬を使用することで腸内細菌叢が乱れて発症することが多いです。

CDIの治療薬は主にバンコマイシンとメトロニダゾール!

CDIの治療薬は主にバンコマイシンメトロニダゾールです。

バンコマイシン

添付文書によると、
成人1回0.125~0.5g(力価)を1日4回経口投与する。となっています。

メトロニダゾール(フラジール)

添付文書によると、
感染性腸炎には、通常,成人にはメトロニダゾールとして 1 回 250mgを1日4回
又は 1 回 500mg を 1 日 3 回,10~14 日間経口投与する。となっています。

バンコマイシンとメトロニダゾールの使い分けは?

Clostridium difficile感染症のガイドラインによると、
非重症例での第一選択はメトロニダゾールとなっています。
第二選択はバンコマイシンです。

重症例では、バンコマイシンが第一選択であり、第二選択として「フィダキソマイシン」or「バンコマイシンとメトロニダゾール併用」or「バンコマイシン高用量」となっています。

個人的には、重症軽症関係なく「CDIにはバンコマイシン散」という処方が結構ある印象なので、バンコマイシン散は調剤が大変なのでメトロニダゾールでいいならメトロニダゾールを使って欲しいと思います。
薬価もメトロニダゾールの方が安いので、薬剤師としては、重症例でなければメトロニダゾールを医師に提案してもいいかもしれないですね。

フィダキソマイシンとは?

第二選択でフィダキソマイシンが出てきましたが、あまり馴染みがないでしょうか?
商品名は「ダフクリア」です。薬価収載日が2018年8月と、割と新しい薬です。
新人薬剤師さんは是非覚えておきましょう。

プロバイオテクス製剤が予防になる?

プロバイオテクス製剤とは?

プロバイオティクスとは、アンチバイオティクス(抗生物質)に対して提案された用語であり、共生を意味するプロバイオシス(probiosis、pro:共に、~のために、biosis:生きる)を語源としている。Fuller(1989)により「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義され、これが現在でも広く受け入れられている。

https://bifidus-fund.jp/keyword/kw030.shtml

ビオスリーやミヤBMなどの整腸剤のことですね。

CDIの予防になる?

CDIのガイドラインでは、抗菌薬投与などのCDIの発症リスクを有する患者においてプロバイオテクス製剤の予防投与が推奨されています。

抗生剤を使っていてミヤBMなどの整腸剤が出ていない場合、疑義照会してみてもいいかもしれないですね。

まとめ

以上、Clostridium difficile感染症の治療薬について簡単にまとめてみました。
基本的なことですが、今さら聞けない内容ですのでこの機会に是非覚えておきましょう。

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参考文献

Clostridioides(Clostridium)difficile 感染症診療ガイドライン
公益社団法人日本化学療法学会・一般社団法人日本感染症学会

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